持続可能および安全・安⼼な開催企画
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サステナビリティガイドブック 感染症対策のガイドライン
世界中の様々な課題を解決し、持続可能な社会の実現を目指すSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に取り組む動きが世界中で加速しています。
MICEと呼ばれるビジネスイベントは、「ビジネス・イノベーションの機会の創造」、「地域への経済効果」、「国・都市の競争力向上」の3つの主要な効果が期待できる一方で、多くの人が集まり、多くの資源を消費する負荷の一面があります。さらに地域とのコミュニケーションや社会貢献活動、地域に利潤を還元する運営など、環境面、社会面、経済面で持続可能な取組みが期待されています。
「SDGs for MICE評価制度」(以下「本制度」という)は、主催者が、参加者、事業者、関係団体や地域など関係する全てのステークホルダーに配慮したMICEを開催することを目的に策定いたしました。主催者・参加者の安全・安心を担保し、SDGsの自律的好循環を形成し、開催するMICEの価値向上を目指します。
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アドバイザーによるサポート体制
本制度が提供するSDGs for MICEアクションリストから主催者が取組み項目を選択し、コミットしていただきます。
専門アドバイザーによる主催者への取組みサポート体制を整備することにより、参画へのハードルを下げ、取組みを促進します。
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取組みと成果の可視化
事務局から「宣言書」を発行しますので、主催者は取組みの意思表明をステークホルダーに対して広く周知していただきます。取組結果を有識者が評価し、「評価証」によりフィードバックすることで成果を可視化します。主催者はSDGsへの貢献をステークホルダーに公表し、継続した取組みにつなげていただきます。
- Ⅰ.ガイドブック策定の背景
- Ⅱ.本ガイドブック策定により目指す方向性
- Ⅲ.本ガイドブックの構成
- Ⅳ.サステナビリティに取り組むプロセス(PDCAサイクル)
- Ⅴ.サステナビリティ方針の策定プロセス
- Ⅵ.取り組みチェック項目
- Ⅶ.実例イベント紹介
- Ⅷ.イベント・MICEサステナブル運営推進コンソーシアムとは?
ガイドブック策定の
背景
万博を契機に、日本のイベント・ MICE を進化させよう
イベント•MICEの運営には多方面に大きなメリットをもたらす一方、多くの人が一堂に集まることによるCO2排出量の増加、資源の大量消費や廃棄物の発生など解決すべき課題が長らく存在していました。
このような背景の下、2025年日本国際博覧会(以下、2025万博)の開催に向け、SDGs達成を目指し、イベント・MICE運営の新たな指針となるガイドブックを、イベント・MICEサステナブル運営コンソーシアムは専門家監修の下、策定しました。
今後も適宜改訂を進め、日本のイベント・MICE産業のブランド確立に貢献します。
ぜひ、本ガイドブックを積極的に活用いただきますようお願い申し上げます
SDGs(エスディージーズ)は「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語に直訳すると「持続可能な開発目標」という意味を表します。SDGsには2030年までに達成すべき17の目標が掲げられており、これらは2015年に開催された国連サミットにおいて採択されました。
本ガイドブック策定により目指す方向性
- イベント・MICEという分野から、持続可能な社会に貢献する。
- 大阪・関西万博を契機に、日本から世界に向け、イベント・MICEのサステナブル運営の機運を高める。
- イベント・MICE産業を、社会にさらに理解され、働きやすい産業へと発展させる。
- 日本のイベント・MICEのサステナブルな運営を、世界水準に高める。そのために、取り組みの到達度合いを客観的に示す仕組みを構築し、世界に発信する。
同時に、日本が世界に比べて先行している分野を見出し、日本のイベント・MICEのブランドとしてアピールする。 - サステナビリティの領域は幅広く、一度に達成できるものではないため、
「できるところから始め、継続的に取り組み、到達度を上げていくもの」という理解と機運を広める。 - 「大勢の来場」と「環境負荷」に代表されるトレードオフの関係から脱却し、両立を目指す。
- 業界内の企業・組織が目標を継続して共有しながら推進していくために、研修や事例発表会、ベストプラクティスを蓄積・共有する仕組み(Webサイト等)の構築を目指す。
本ガイドブックの構成
本ガイドブックは、はじめにサステナビリティの推進体制を構築するための「全体方針」があり、以降はイベントの制作段階に応じて「企画・設計デザイン」「設営・施工」「運営」「会期終了後・評価」の各段階における取り組みがリスト化されています。この中のいくつかの項目については、取り組みをイメージしやすくするために、参考情報を加えています。
- 全体方針
- 企画・設計
- 設営・施工(撤去含む)
- 運営
- 評価
どうすればサステナビリティに配慮したイベントをつくれるのか、そのために自分たちに取り組めることは何かを考え、最初の一歩を踏み出すことが重要です。
サステナビリティに取り組むプロセス
(PDCAサイクル)
サステナビリティへの取り組みは「ここまでやればいい」というものではないですし、1回のイベントで完結するものでもありません。イベントのマネジメントサイクルに合わせてPDCAサイクルを回しながら、サステナビリティへの取り組みを増やし、成果を大きくしていくことが大切です。
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サスティナビリティの理解
サステナビリティに対する理解を深め、イベントを開催していく上での重要性を理解する
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Plan
状況整理、方針作成、推進体制構築
イベント・自社の状況を整理し、サステナビリティに取り組むための方針と推進体制を決める。
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Do
設営・施工・撤去、企画・設計・デザイン、推進体制構築
イベントで取り組む内容を決める。
会期中は確実に実践するとともに、参加者・来場者への啓発も行う。 -
Check
是正・改善、報告
次回に向けて是正・改善を行うとともに、取り組み・成果を会社に発信していく。
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Act
総合評価分析
会期中・終了後に、取り組み状況を評価・分析する。
サステナビリティ方針の策定プロセス
サステナビリティ方針とは、サステナビリティを推進していくために、自分達にとってのサステナビリティの考え方を整理したものです。イベントの特性や各事業者の業務内容に適したものを策定する必要があります。
サステナビリティ方針の策定プロセス
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現状把握
- 組織の現状把握
- ステークホルダーのニーズ・期待
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重要課題の特定
- 課題のリストアップ
- 課題の重要度を評価
- 評価の妥当性を確認
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適用範囲の決定
- 取り組み範囲の決
- 提供価値・目指す姿
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方針の承認
- マネジメント層よる確認・承認
- 浸透方法の検討
取り組みチェック項目
本ガイドブックでは、サステナブルイベント・MICEガイドライン項目を5つに分類しました。
- 全体方針
- 企画・設計デザイン
- 設 営・施 工
- 運営
- 会期終了・評価
対象となる主体
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脱炭素
二酸化炭素排出量の削減につながる取り組み
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資源循環
廃棄物を減らすための取り組み
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労働安全衛生
働く人の安全、健康、権利を守るための取り組み
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D&I
さまざまな人がイベントに参画できて、楽しむため
の取り組み -
社会効果
レガシーを生み出す取り組み
ノウハウの蓄積や人材育成、コミュニティの形成、国際交流、地域文化・情報の発信、経済効果、産業発展など
詳細は取り組みチェックリストとガイドブックをダウンロードいただきご確認ください。
実例イベント紹介
テオ・ヤンセン展
MICE開催におけるSDGsの取組を行うべく、「SDGs for MICE評価制度」を日本で初めて導入し、開催いたしました。さらに大規模展覧会として初めて「グリーン電力証書システム」も導入し、カーボンオフセットの実施も行いました。導入した結果、展覧会実施期間中の約60%をオフセットすることができました。
第26回 大阪オートメッセ2023
2023年2月10日~12日にファミリーも楽しめるコンテンツが充実したモーターショー、「第26回大阪オートメッセ」がインテックス大阪で開催されました。
25年以上の歴史を持ち、例年20万人を超える来場者が訪れる関西最大級のイベントは、来場者の多くにSDGs・持続可能な社会に向けた取組みについて、イベントを通して発信していただきました。
イベント・MICEサステナブル運営コンソーシアムとは?
2023年4月に日本のイベント・MICE産業発展のために万博を契機としたMICEのサステナブル運営推進を行うプラットフォームとして、「イベント・MICEサステナブル運営コンソーシアム」が設立されました。
大阪・関西万博を機に、イベント・MICE産業の業界関係者が結集し、国(観光、経済、環境など)と一緒になり、世界に向けてイベント・MICE業界のサステナブル運営を発信していきます。
コンソーシアム参画団体
この組織は、
イベント・MICE業界の専門家で組織されています。
ガイドブック監修者
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公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
会場運営プロデューサー
株式会社シンク・コミュニケーションズ
代表取締役、大阪公立大学 客員教授石川 勝氏
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株式会社ごみの学校
代表取締役寺井 正幸氏
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大阪経済法科大学
国際学部教授菅原 絵美氏
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認定NPO法人
グッド・エイジング・エールズ 代表松中 権氏
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特定非営利活動法人
D-SHiPS32 代表上原 大祐氏
お問い合わせ
公益財団法人 大阪観光局
MICE誘致戦略部
tel.06-6282-5911
営業時間9:00~17:30
(土曜日、日曜日、祝日を除く)
(2023年5月9日 改訂版)
公益財団法人大阪観光局(理事長:溝畑 宏)は「感染症拡大のリスクを抑え、MICEを積極的に開催するための主催者向けガイドライン」を改訂いたしました。
これまでMICE(展示会や学術会議などビジネスイベントの総称)は、ビジネスの機会やイノベーションの創出、研究促進、地域活性化など、経済発展の牽引役として大きな役割を果たしてきました。しかし新型コロナウイルスの感染拡大により、多くのMICEが中止・延期となり、それによって生み出されていたあらゆるビジネス活動が停滞し、経済へ深刻な影響を及ぼしています。
弊局は、政府の政策方針、MICE主催者の意見、他業界や海外の事例などを参照し、感染症専門家と共に現実的で、国内環境に適した基準となるよう検討を重ね、2020年6月3日に初版を発表いたしました。
そして今回、新型コロナウイルスに限らず、新たな感染症を防ぐためにも公衆衛生の基本的な対策に絞ったガイドラインへと改訂を行いました。
主催者の皆様は参加者が安心して参加できる環境づくりに、本ガイドラインをお役立てください。MICEが再び盛んに開催されるようになり、経済発展に寄与することを心から願います。
感染症拡大のリスクを抑え、MICEを積極的に開催するための主催者向けガイドライン
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1. ガイドライン改訂の目的
大阪でMICEを開催するにあたり、主催者に本ガイドラインを参考にして感染症へのリスク対策を施した開催計画、事業運営を行っていただくことで、主催者と参加者双方の満足度の向上と大阪MICEのさらなる活性化を目的とする。
2. ガイドラインの概要
(1) 開催前の実施事項
(2) 会期中の実施事項
(3) 大阪観光局によるMICE主催者へのサポート
- PDFダウンロード(日本語) *2023/5/9改訂版
- PDFダウンロード(英語) *2023/5/9改訂版